史上初の3歳馬制覇を目指し、ウオッカ(牝3、栗東・角居)が万全の態勢を整えた。四位洋文騎手(34)を背に坂路で800メートル53秒1、ラスト12秒1(馬なり)の好時計をマーク。牝馬として64年ぶりに優勝したダービーから中3週となるが、激戦の疲労は見られず、最強メンバーを相手に再び歴史をつくれる仕上がりだ。
うなるような気合に、四位はしびれた。坂路を駆け上がるウオッカは、闘志に満ちあふれていた。「迫力のある走りだった」。手綱をガッチリと固めるとともに「よし、よし、よし」と優しく言葉をかけ、コンタクトを取る。他馬を圧倒する迫力を放ちながらも、人馬一体の呼吸でゴール板を駆け抜けた。800メートル53秒1、ラスト12秒1。「55秒ぐらいのつもりで乗れば、ちょうど53秒台になる」という、角居師が四位に与えた指示は完ぺきだった。
中間はトレーナーが自らまたがり、入念にコンディションをチェック。肉体面と精神面の感触を確認した上で、出走へのゴーサインを出した。「もうやらなくてもいい雰囲気にある。テンションを上げたくなかったので坂路で追った」。愛馬の状態を十分に把握しているからこそ、この日のような指示も出せる。
肉体面は、ダービーで究極にまで仕上げてある。この中間で必要なのは、疲れをきっちり抜くこと、そして何よりも精神面のケア。うなるような気迫をコントロールできた追い切りを見れば、それも問題ない。「ダービー以上の出来となると、さすがにどうか。でも状態は高いレベルで安定している」。四位の言葉は最大級の賛辞に違いない。
誰もが驚かされたダービー馬の電撃参戦。だが、ウオッカの実力を知る者ならば、それも納得できる。谷水オーナーからの打診に角居師は「ちょっと驚いたけど、それもありだな」と感じた。四位も「面白い」と思った。33秒0の豪脚で歴史をつくったダービーの走りを見れば、春のグランプリの参戦は必然の流れだ。
史上最高メンバーとうたわれる歴戦の古馬が、強敵として立ちはだかる。7キロの重量差があるとはいえ決して楽な戦いではないが、四位の決意は揺るぎない。「古馬に乗るジョッキーはプライドを持ってぶつかってくる。でも、僕の馬はダービー馬。同世代のトップとして恥ずかしい競馬はできない」。初の3歳馬優勝へ向け、再び歴史をつくる舞台は整った
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